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RISC-Vはオープンソースのプロセッサという意味なのか

「RISC-Vはオープンソースのプロセッサを意味する」これは近年よく耳にする言葉ですが, しかし, これは本当なのでしょうか, それとも嘘なのでしょうか. その答えは, このブログ記事に書かれています

オープンスタンダードとは, 自動的にオープンソースを意味するのでしょうか?

RISC-Vはオープンソースのプロセッサを意味するのか」という問いに答える前に, 「オープンスタンダードは自動的にオープンソースを意味するのか」という問題を考えてみましょう

オープンスタンダードは, 技術の世界では広く普及しており, 通信プロトコルのTCP/IPは, 何十年も前からオープンスタンダードとなっています. 無線通信では, 複数のバージョンがあるWi-FiやBluetoothはオープンスタンダードです

IC設計において, VerilogはIEEEが維持するオープンスタンダードであり, ハードウェア記述言語として広く使用されています. またVerilogは, 様々な商用およびオープンソースのシミュレータで使用されています. Verilogに対応した商用シミュレータとしてはIncisive, Questa, VCSが有名ですが, オープンソースのVerilogシミュレータとしてはVerilatorやCverがあります. 一般的に, 商用Verilogシミュレータはその高い品質と性能で知られています

RISC-Vプロセッサには, オープンソースと商用があります

オープンスタンダードだからといって, そのスタンダード仕様を利用した商用製品が排除されるわけではありません. RISC-Vの場合, 標準化されているのは命令セットアーキテクチャだけで, マイクロアーキテクチャ実装はプロセッサ開発者に委ねられています. そのため商用プロセッサコアにもビジネスチャンスは十分に残っています. RISC-Vをベースとした商用プロセッサIPコアは, マイクロアーキテクチャや実装などにおいて, 独自の機能や付加価値を持てます

オープンソースのRISC-Vプロセッサコアには, カリフォルニア大学バークレー校のZscale, Rocket, BOOMなどがあります. そしてCodasip RISC-Vプロセッサのような商用プロセッサコアも存在します

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