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RISC-Vは何の略

RISC-Vは, Reduced Instruction Set Computer 5の略です. 5という数字は, 1981年以降にカリフォルニア大学バークレー校で開発されたRISCアーキテクチャの世代数を表しています. 「リスクファイブ」と発音し, 「RISC five」「R5」と表記されることもあります. RISCのコンセプトは(スタンフォード大学の並列MIPS開発と同様), プロセッサ命令のほとんどが多くのコンピュータプログラムで使用されていない, という事実に端を発しました. プロセッサ内部に使われない命令のために, デコード回路が構成され, 不必要な電力とシリコン面積が消費されている状況でした. ではどう改善したらいいのでしょう. 命令セットを簡素化し, 代わりにレジスタリソースを大きくするという選択肢に着目しました RISC Iプロジェクトは, わずか31もしくは32個のビット命令と驚くべきことに78個のレジスタを実装していました. このプロジェクトでは, 後にSPARCアーキテクチャで採用されることになるレジスタウィンドウという概念が導入され, その後のRISC IIプロジェクトではさらに大規模なレジスタファイル(138本)が実装されました. さらに, RISC IIでは16ビット命令も導入され, コード密度の向上に貢献しました. RISC IIIとRISC IVという用語は, それぞれ1984年のSOARプロジェクトと1988年のSPURプロジェクトを指しています RISC-Vプロジェクトは, 特許やライセンス契約に縛られたプロプライエタリでクローズドなISAの存在が, その動機の一つになっていました. カリフォルニア大学バークレー校のクルステ・アサノビッチ氏は, 学術・産業両方のプロジェクトに適用できる, フリーでオープンなISAを作ることに大きなメリットがあると確信していました. 以前のRISCプロジェクトに携わっていたデイビッド・パターソン氏も参加しました. 2010年に3カ月間のプロジェクトを開始し, 新しい命令セットが開発され, 2011年に最初のRISC-V ISA仕様の公開につながりました 他方面からの貢献を管理するため, 2015年にオープンな共同コミュニティとしてRISC-V Foundation(現RISC-V International)が設立され, ISAのオリジナル開発者はRISC-Vに関する権利をこの団体に移管しました. それ以来, RISC-V InternationalはRISC-V ISAのさらなる開発を管理しています

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